人気ブログランキング | 話題のタグを見る

横浜・港の見える丘公園内にある、大佛次郎記念館の最新情報
by 大佛次郎記念館
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
東京・恵比寿・日仏会館展示(11/14-24)の見どころ紹介②
現在、東京・恵比寿の日仏会館にて24日まで「パリ・コミューン150年 大佛次郎記念館のカリカチュア・コレクション」展を開催中です。
東京・恵比寿・日仏会館展示(11/14-24)の見どころ紹介②_b0134195_17580652.jpg
今回の展示では、新聞やポスター、カリカチュアといった当時のメディアを取り上げています。

第二帝政、ナポレオン三世の治世の後半は「自由帝政」とよばれます。
1868年5月には「出版法」を新たに公布します。
新聞発行に事前の許可を必要としない「出版の自由」が部分的に認められ、
政治・宗教目的以外の「集会の自由」も部分的に認められるようになりました。

当時、パリでは、新たに140紙もの新聞が発行されたといいます。
政治的主張を盛り込まない読み物としての新聞以外に、
右派・左派を問わず多種多様な新聞が町にあふれていました。
東京・恵比寿・日仏会館展示(11/14-24)の見どころ紹介②_b0134195_11410891.jpg
右のカリカチュアは、家庭内で王党派と帝政支持派の新聞を
別々に読んでいる図です。

イメージの力で主張を伝えるカリカチュアは、民衆のメディアとして
たいへんな人気でした。風刺新聞に掲載され、売店などでばら売りされていました。

そんなカリカチュアですが、そこに描かれている事がらは、必ずしも事実とは限りません。
ですが、「メディア」ととらえることで、見えてくるものがあります。

パリ市民が樹立した自治政府パリ・コミューンと、
それを制圧しようとする、ヴェルサイユ政府双方の立場から
カリカチュアは描かれます。


【ヴェルサイユ政府側】
東京・恵比寿・日仏会館展示(11/14-24)の見どころ紹介②_b0134195_17575325.jpg
右  シャム「コミューンの狂気」
「奴ら馬鹿だねぇ。奴らが嫌ってたのは田舎だろうに。燃やしちまったのは街場だよ」
(パリに火を放ち、破壊したのはコミューン側の仕業として描かれている)
左  グロニエ・コレクション「今どきの人びと」
(ギリシア神話に出てくる9つの首をもつ怪物ヒドラにコミューンを例えている)


【パリ・コミューン側】

東京・恵比寿・日仏会館展示(11/14-24)の見どころ紹介②_b0134195_17584990.jpg
ロザンボー「人間の愚かさ」行政長官もしくは1871年の青髭
(共和国を象徴する女性を殺戮するティエール。ペローの童話に出てくる6人の妻を殺害する残虐な“青髭”に例えている)

東京・恵比寿・日仏会館展示(11/14-24)の見どころ紹介②_b0134195_12015332.jpg
モロク「田舎共和国行政長官ティエール閣下へ」 亡霊たち
(1834年のトランスノナン街の虐殺が行われた際、ティエールは内務大臣。1871年のパリ・コミューンの際には行政長官だった。)


カリカチュアの解釈は読み手に委ねられています。
是非、会場にお運びください!
きっと、それぞれの立場から発せられた当時の「声」があふれています。


◆展覧会情報◆
【場 所】 日仏会館(東京都渋谷区恵比寿3-9-25)
【展覧会期】11月14日(水)~11月24日(水)まで、お休みなしで開催しています。
【開廊時間】12時~17時30分(最終入室17時)
【料 金】 入場無料






by ojmm | 2021-11-23 09:31 | イベント
<< 港の見える丘公園の紅葉が見頃です 本日より秋の和室公開2021が... >>


記事ランキング
大佛次郎記念館のご案内
【開館時間】
4-9月 
10:00~17:30
(入館は17:00まで)
10-3月 
10:00~17:00
(入館は16:30まで)

【観覧料】
大人 200円
中学生以下 無料

※20名様以上の団体料金
大人 150円

※毎月23日(市民読書の日)と、第2・第4土曜日は高校生以下無料
※横浜市在住の65歳以上の方 100円(濱ともカード等をご提示ください)
※障がい者手帳をお持ちの方とお付添の方1名 無料

《団体入館のご予約》
予定日時、人数、説明希望有無をご連絡ください。
ご希望の団体には、入館時に大佛次郎と当館についてご案内いたします。

【休館日】
毎週月曜日(祝休日の場合は翌平日)
※展示替等で臨時に休館することがあります。

大佛次郎記念館ホームページはこちら

所蔵資料のご案内はこちら

大佛次郎記念館
〒231-0862
横浜市中区山手町113
TEL 045-622-5002
FAX 045-622-5071
以前の記事
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 02月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月