現在開催中の「これぞ!大佛歌舞伎」
9月5日までの会期ですが、多くの資料をご紹介するため
毎月展示替えをしています。
現在の第2期は、7月4日(日)までです。
「まだ、見てません!」という方のために
残りあと1週間で見納めとなる資料をご紹介します!
「戦後歌舞伎の華」とうたわれた「海老さま」こと
九代目市川海老蔵と菊五郎劇団に当て
多くの演目を書いた大佛次郎ですが、中でも
「若き日の信長」と「築山殿始末」は現在まで繰り返し上演されています。
なんと、「信長」は九代目海老蔵さん(十一代目團十郎)、
十二代目團十郎さん、御当代の海老蔵さん
の三代で引き継がれ、現在まで18回(!?)も上演されています。
当時の海老蔵さんのお言葉
「…巧拙は別として、力いっぱい、
そして作品に十分惚れ込んでやった仕事に
対しては後悔のないすがすがしい気持ちです。」
からも、この芝居への意気込みが伝わってきます。
どんな、舞台だったのでしょう?
展示会場では当時の舞台写真(モノクロ)や台本のほか
創作ノートや原稿など舞台の制作過程がわかる資料を
多数ご紹介していますが、
何といっても、舞台の雰囲気を今に伝えてくれているのは
守屋多々志画伯の道具帖(舞台装置図)です。
現在ご紹介している3点は、
まず、「若き日の信長」第二幕、信長の守役、”平手の爺”こと平手中務政秀の館。
雪の降る様子まで、丹念に描き込まれています。
そして、徳川家康と夫人・築山殿、その長男信康と嫁である信長の息女徳姫を
めぐる親子の情を描いた「築山殿始末」より
第二幕二場、城下近郊の池と第三幕一場岡崎城内角櫓です。
池の場面は、信康と侍女小笹が船の上で愛を語り合う印象的なシーンです。
海老さまと七代目芝翫さんの美しい舞台写真とともに、
是非、ご堪能ください!